ボストンを拠点とする量子インターコネクト技術企業Lightsynqが、シリーズA資金調達で1800万ドル(約27億円)を調達しました。同社は、量子プロセッサ間の接続を可能にする光学量子インターコネクト技術の開発に注力しています。
業界全体の現状や統計
量子コンピューター市場は急速に成長しており、2024年の世界市場規模は前年比30%増の50億ドルに達すると予測されています。特に、量子プロセッサ間の接続技術が注目を集めており、単一システムのスケーリング限界を克服する重要な技術として期待されています。
具体的な事例や企業の動き
Lightsynqは、Cerberus Venturesが主導する1800万ドルのシリーズA資金調達を完了しました(2024年11月19日)。村田製作所北米法人、IAG Capital Partners、Safar Partners、QVT、Element Six、In-Q-Tel(IQT)も参加しています。同社は、この資金をダイヤモンドフォトニックデバイスのカラーセンターを基盤とする量子インターコネクト技術の開発に投資する予定です。
最新のトレンドや技術動向
量子コンピューティング分野では、個々の量子コンピューターを広範なネットワークにリンクすることが重要な課題となっています。Lightsynqの技術は、量子ネットワーキングプラットフォームとスケーラブルなフォトニック製造を組み合わせ、この課題の解決を目指しています。
日本企業の取り組みや関連する政策
日本政府は「量子技術イノベーション戦略」を策定し、量子技術の研究開発を推進しています(2020年1月)。NTTや東芝などの大手企業が量子通信技術の開発に取り組む一方、QunaSys社やBlueqat社などのスタートアップも台頭しています。特に、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)のムーンショット型研究開発事業では、量子インターネットを見据えた研究が進められています。
まとめ
Lightsynqの資金調達は、量子インターコネクト技術の重要性と投資家の関心の高さを示しています。日本企業も、この分野での技術革新と国際競争力の強化が求められています。
参考資料:
[出典1] FinSMEs (2024年11月19日)
[出典2] 内閣府 量子技術イノベーション戦略 (2020年1月)
[出典3] 科学技術振興機構 ムーンショット型研究開発事業 (2023年度報告)