2024年のロボティクス業界では、多機能型ロボットの開発に注目が集まっています。投資総額は前年を上回る見込みで、アマゾン創業者ジェフ・ベゾス氏の影響力も顕著です。
業界全体の現状と統計
2024年のロボティクススタートアップへの投資総額は、11月13日時点で64億ドルに達しています。このペースで推移すると、年間で約75億ドルとなり、2023年の69億ドルを上回る見込みです。ただし、2021年の147億ドルには及びません。投資ラウンド数は473件と、前年の671件から大幅に減少しています。
具体的な事例と企業の動き
Physical Intelligence社が4億ドル(約6000億円)を調達し、20億ドル(約3兆円)の評価額を獲得しました(2024年11月)。同社は、多様なロボットモデルに適用可能な基盤ソフトウェアの開発を目指しています。また、Figure社は6.75億ドル(約1兆円)を調達し、危険な作業や労働力不足の解消に向けたAI搭載ロボットの開発を進めています(2024年2月)。
最新のトレンドと技術動向
AIを活用した多機能ロボットの開発が主流となっています。単純な倉庫作業だけでなく、製造、医療、小売など幅広い分野での活用を目指す傾向が強まっています。Skild AI社やCollaborative Robotics社なども、この潮流に乗って大型資金調達に成功しています。
日本企業の取り組みと関連政策
日本では、経済産業省が「ロボット新戦略」を策定し、2025年までにロボット市場規模を2.4兆円に拡大する目標を掲げています(2023年3月発表)。ソフトバンクグループやファナックなどの大手企業に加え、Preferred Networks社やMUJIN社などのAIロボティクススタートアップも台頭しています。
まとめ
2024年のロボティクス業界は、AI活用による多機能化と大型投資が特徴となっています。日本企業も世界的な潮流に乗り遅れないよう、積極的な開発と投資が求められます。
参考資料:
Crunchbase News (2024年11月13日)
経済産業省 ロボット新戦略 (2023年3月)
日本経済新聞 (2024年9月15日)