スウェーデンの後払い決済(BNPL)大手Klarnaが米国証券取引委員会(SEC)にIPO(新規株式公開)を申請しました。この動きは、フィンテック業界における新たな展開を示しています。
業界全体の現状や統計
BNPL市場は急成長を続けており、Klarnaの評価額は2022年の67億ドルから146億ドルに回復しました。しかし、これは2021年のピーク時の456億ドルには及びません。Klarnaは現在、世界30カ国以上で展開し、1億5000万人以上のユーザーを抱え、1日200万件の取引を処理しています。
具体的な事例や企業の動き
Klarnaは2005年に創業し、当初は投資家から否定的な評価を受けましたが、現在では50万以上の小売業者と提携しています。2017年にはスウェーデンで銀行ライセンスを取得し、BNPL以外のサービスも展開しています。米国市場では、Uber、Airbnb、Expediaなどと提携し、2024年上半期には前年同期比38%の収益成長を達成しました。
最新のトレンドや技術動向
Klarnaは、AIを活用したパーソナライゼーション、セキュリティ、カスタマーエクスペリエンスの向上に注力しています。具体的には、AIを用いた商品レコメンデーション、不正検知、価格変動通知、カスタマーサポート、予算管理などの機能を提供しています。
日本企業の取り組みや関連する政策
日本では、メルペイやPayPayなどが後払いサービスを展開しており、金融庁が2023年にBNPLに関する規制案を発表しました。また、楽天やソフトバンクなどの大手企業もフィンテック分野に積極的に投資しています。
まとめ
KlarnaのIPO申請は、BNPL市場の成熟と、フィンテック企業の新たな成長戦略を示しています。日本企業も、この分野での国際競争力強化が求められています。
参考資料:
[出典1] Tech Funding News (2024年11月14日)
[出典2] 金融庁 BNPL規制案 (2023年9月)
[出典3] 日本経済新聞 フィンテック特集 (2024年3月)